人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ
コンピュータと共にある創造的日常
uneoyaji.exblog.jp

メディアアート・プロジェクトにハマったオヤジの日常生活
by une0exct
劇場の客席の壁に映像を映す
舞台に向って映像を映すのは、よくあるわけですが、今回は客席の周囲の壁に投影するということで、どんなふうになるのか最初はかなり不安でした。4月のイースター休みにミュンヘン一泊で出かけたときに劇場の内部を見せてもらいました。ヨーロッパの伝統的なオペラハウスの様式で、一階席はゆるやかなスロープになっており、周りの壁は5段のバルコニーになっています。バルコニーの前面は白でレリーフが彫られています。壁はテクスチャの掛かった暗い赤。少しオレンジ色に近いです。プロジェクタは劇場用の大型のものが2台舞台の両袖にあり、客席に向けて下から左右へ交叉する形で投影するように設置されています。この2台のプロジェクタに映像信号を供給する装置として Pandoras Box という PC ベースのマシンが使われていました。1つの動画を2つに分割して、別々のプロジェクタで投影して間をスムースに繋ぐような機能もあったりします。
劇場の客席の壁に映像を映す_b0129209_1974373.jpg

この写真は、プロジェクタをオンにしたところ。その前に立って写真を撮ってみました。影は私です :-)
当方等が開発したシミュレーションソフトで、この装置に合った動画ファイルを作成してコピーすればOKなわけですが、問題は動画のスペック。ソフトの方は MacOS X で動くので QuickTime movie を作るのは比較的簡単なんだけど、相手が PC で、どうやら AVI と MPEG2 しか受け付けてくれない。AVI は Codec として MPEG4 なんかも可能なはずだが、やってみると受け付けない。それで、結局、ffmpegx なるソフトを急遽ダウンロードして使わせて頂きました。これは MacOS X で動作する動画ソフトで、QuickTime から Mpeg2 への変換もできます。
シミュレーションソフトで 1920 x 800, 25 FPS, PNG の動画ファイルを作り、1920 x 1080, 25 FPS, Mpeg2 に変換して、Pandoras Box に USB メモリー経由でコピーという技を使ったのですが、試しに 30 秒ほどの動画を作るのに10分ほど必要で、結構苦労しました。最終的には 13分の動画を2つ制作し、繰り返しに耐えられるよう、After Effect で最後の部分にデソルブで最初のフレームに遷移するよう細工を加えました。
by une0exct | 2009-05-19 19:10
<< SIGGRAPH 2009 C... 鳥の群れのシミュレータ >>